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Piabの真空技術を活用して、ビスケットパックを自動ハンドリング
Tecno Pack SpAは、PiabのpiGRIP®サクションカップおよびpiCOMPACT®23 SMART バキュームポンプを使用して、国際的な大手菓子メーカーの工場のピックアンドプレースアプリケーションに対応可能な効率的なグリッパーを設計・開発しました。
Tecno Packの包装ラインは、ビスケットをピッキングしてフローパックに詰める「一次包装」と、フローパックを段ボール箱に詰める「二次包装」を行っています。
この工程では、ビスケットを入れるフローパックの種類が多様であることと、フローパックの大きさによってカートンのサイズが異なることが特徴です。
Piabのソリューションは「二次包装」で活用されています。これらの作業に対応するため、Tecno Packの工場には4台のフレックスピッカーロボットを配備したロボットステーションが設置されています。
フローパックは不規則に並んだ状態でコンベアベルトに乗って運ばれていき、ビジョンシステムでスキャンされ、ロボットに正しい方向に向いた状態でピックアップされます。フローパックは並行するコンベアの仕切りに乗せられ、段ボール箱に入れられます。その後、段ボール箱は封をされ、ラベルが貼り付けられます。
ロボットはそれぞれ異なるタイプのグリッパーを使用しており、piGRIP® BGI25 サクションカップが1個または2個装着されています。グリッパーはピッキングするフローパックの形状に合わせて交換可能です。切り替え時のダウンタイムを削減するために、グリッパーにはクイックリリースインターフェースが採用されています。グリッパーはフレックスピッカーの手首部分に設置され、非常に軽いのが特徴です。これは、グリッパーの真空源となるpiCOMPACT®23 SMART 真空ポンプがロボット上部に設置されているためです。この真空ポンプによって、ロボットの強力な真空グリッピングを可能にしています。さらに、真空源は独立しており自律的です。1台の真空ポンプで、各グリッパーの真空を発生させます。同時に複数のグリッピング操作が行われることはありません。グリッピングは1回ずつ行い、ケースへのリリースは複数個を同時に行います。サイクルタイムで見ると、4台のロボットを備えたロボットエリアでは、1分間に500個のフローパックをピックアップしています。つまり、ロボット1台あたり1分間に125個をピックアップしていることになります。
Tecno Packの機械プロジェクトマネージャーであるGiuseppe Facci氏は、このシステムの性能について次のように語ります。「piCOMPACT®23 SMART ポンプは、制御機能一体型のバルブと真空スイッチを搭載しており、反復的なピックアップとリリースを高速で実行可能です。同時に、piGRIP® サクションカップがしっかりと安定したグリップを実現します。もうひとつの大きなメリットは、システムのモジュール性、そしてフローパックのフォーマットに合わせて素早くグリッパーを交換することができるという点です」 Piabとの協業については次のように話ります。「サクションカップの種類は、トップクラスのサプライヤーとしか取引しない国際的な大手製菓企業であるお客様から直接指定されたものです。真空発生器については、Piabの公式販売代理店であるF.lli BonoのVladimiro Marconato氏の助言と経験に基づいて選定に至りました」
piGRIP®は、用途に合わせて様々なパーツで構成できるユニークなサクションカップです。フローパックのような小さな袋物をカートンに入れる作業は、変化しやすい袋の表面に適応する必要があるため、特に柔らかいリップを備えるPiab® のpiGRIPサクションカップが最適です。これにより、安全で迅速な搬送と、オートメーションプロセスの高速化が可能になります。
piCOMPACT®23 SMARTはCOAX®技術を採用し、ロボットハンドリングのアプリケーション用に開発された、制御機能一体型の真空エジェクターです。さまざまな物資の積載や仕分け、搬送、積み下ろしなどを行う中規模から大規模までの真空システムに最適です。信頼性、多機能性、高速処理能力、そしてサイクル時間の短縮を実現するために最適化された設計となっています。
Piabの真空発生技術COAX®は、エネルギー消費量を最小限に抑えつつ、初期真空流量の高さにより安全で高速なグリッピングを実現します。COAX® エジェクターは従来のエジェクターと同じ空気消費量で約3倍の真空流量を生み出します。空気供給圧が低くなったり変動したりする時でも安定した性能を発揮します。この能力は、ドイツ、ドレスデンのフラウンホーファー研究機構工作機械・成形技術研究所での独立した比較テストで実証されました。これらのテストから、Piabのエジェクターが他社製のエジェクターと比べて同じ性能を出すのに大幅に少ない圧縮空気で済むことが証明されています。これにより、圧縮空気消費量を削減し、総生産コストの削減に繋がります。