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- DCL社は、PiabのpiCOBOT®グリッパーをUR10eロボットに搭載し、フレキシブルな自動化ソリューションを実現しました。
DCL社は、PiabのpiCOBOT®グリッパーをUR10eロボットに搭載し、フレキシブルな自動化ソリューションを実現しました。
カリフォルニア州フレモント市に拠点を置くDCL Logisticsは、フルフィルメントセンターでアイテムのピッキングと箱詰めを処理するために、フレキシブルで統合が容易なプラグアンドプレイソリューションを求めて、PiabのpiCOBOT®グリッパーと組み合わせたUR 10eロボットを採用しました。
Eコマースの需要の高まりを背景に、サードパーティロジスティクス(3PL)のフルフィルメントセンターが成長を続けています。DCL Logistics社の最高収益責任者であるBrian Tu氏は、「当社の直販フルフィルメントソリューションは、過去5年間で前年比20%の成長を遂げています」と語ります。同社は、ケンタッキー州、ロサンゼルス市、シリコンバレーの中心部にあるフルフィルメントセンターを通じて、新興・高成長のエレクトロニクス、デジタルネイティブブランド、医療技術機器を中心にサービスを提供しているオムニチャネルロジスティクス企業です。またTu氏は、「消費者への直販フルフィルメントをより早く、より大規模に、より費用対効果の高い方法で行う必要性は、ますます重要になってきています」と説明しています。
人手不足問題が、自動化の必要性を促進
伝統的に手作業が多いビジネスでは、人件費を抑えることが目標を達成するうえで課題となります。時間当たりの人件費が上昇し続ける中、人件費は他のどこかで相殺されなければならず、季節的な需要の急増はさらなる課題をもたらします。DCL社の顧客の半数近くがホリデーシーズンの大幅な増加を経験しており、年間売上の内、最後の2か月間が全体の40%を占めています。柔軟性を高めるために、DCL社は可能な限り自動化を取り入れてきましたが、近年同社が飛躍的に成長するにつれ、以前にも増して自動化の必要性が出てきていました。
DCL社は、既存のロボットピッキングとフルフィルメントシステムを検討しましたが、要件を満たすためにカスタマイズできる柔軟なシステムは見つかりませんでした。
URロボットとPiabのpiCOBOT®グリッパーを組み合わせた、理想的なソリューション
ATX Westの展示会にて、DCL社はユニバーサルロボットのブースで潜在的なソリューションを発見しました。URとPiabの代理店Buchanan Automationの一般公開イベントでは、PiabのpiCOBOT®グリッパーを搭載したURロボットが展示されていたのです。DCL社は、Buchanan社に様々な搬送テスト用のワークを送りました。その結果、Piab’のpiCOBOT®グリッパーが、多様なサイズの箱に適応する能力を持っていることが証明さました。
アプリケーションに適した周辺機器を研究して選択するためのUR+オンラインプラットフォームと、ロボットが到着する前にプログラミングを行うためのシミュレーターのおかげで、DCL社は設置前に可能なソリューションをデジタルでテストすることができました。piCOBOT®グリッパーは、UR CAPSソフトウェア(携帯電話のアプリに似た小さなプログラム)で認証されているため、ロボットのコマンドを覚える必要がなく、プラグアンドプレイで作業を行うことができます。
「UR CAPのティーチペンダントを使って、実際に力をシミュレーションして制御することができます」とDCL Logistics社のオートメーションエンジニア、Isaac Toscano氏は説明します。“piCOBOT®グリッパーには、実際に力やエラーコードを制御する機能がいくつか組み込まれています。”piCOBOT®グリッパーを使えば、URロボットは棚から製品を把持することができますが、吸着時にリークがあったり、把持できなかったりする場合に、内蔵のアラートがアプリケーションに誤作動を知らせてくれるので、ロボットのエラーをコントロールすることができます。
piCOBOT®グリッパーのメリット
PiabのpiCOBOT®は適応力があり、パワフルで軽量です。幅97~142mmのグリッパーアームは、±15度まで傾けることができ、優れたリーチ力を発揮します。piCOBOT®は、必要に応じて1個または2個のサクションカップを取り付けることができます。専用の検出バルブを利用すれば、いずれのサクションカップで吸着しても安全な動作が保証されます。オペレーターは2つのオプションモード(シングルピッキング、ダブルピッキング)を切り替えることができ、必要なときに容易にグリッパーを適合させることができます。
piCOBOT®は可能な限り小さくなるよう設計されています。高さが69mmと低いのも、特にスペースが限られている場合のもう1つのメリットです。「さらに、piCOBOT®の重量はわずか720gで、非常に軽量です」、とPiabのバキュームオートメーション部門の社長Josef Karbassiは説明を加えます。piCOBOT®の軽量化により、搭載する協働ロボットの積載能力を最大限に活用できます。このサイズの中ではパワフルかつ強力で、piCOBOT®は最大7kgのワークを吊り上げることができるように設計されています。
24時間365日稼働するように設計されたDCL社のアプリケーション
アプリケーションには、箱を集積し、整列させ、積載位置に移動させるコンベアが含まれています。ロボットは6秒ごとに製品をピックアップしてスキャナーに持ち込み、製品を箱に入れていきます。アイテムが正しくない場合、ロボットはアイテムをリジェクトビンに入れ、生産を中断することなく次のアイテムのピッキングを続けます。24時間365日、人の手を介さずに動かせるように設計されたアプリケーションです。
自動化は、作業者にとっても恩恵をもたらしていると、DCL Logistics社のオートメーションエンジニア、Isaac Toscano氏は次のように説明します。「当社には、夜通し注文が来て、蓄積されていきます。朝、社員が機械を起動させると、大量の注文が入っているのが分かります。私達は毎朝彼らにロボットの電源を早く入れるよう急かされています。社員が大きな負担を負わずに済むからです」 ブラックフライデー(感謝祭の翌日)のような忙しい時期は、特にロボットの恩恵が大きいです。piCOBOT®グリッパーを搭載したURロボットは、数時間で最大4,400個の注文品のピッキング作業を処理することもありました。ノンストップで稼働させるためのサポートは、部品補充などの最小限のサポートで済みました
500%の効率性向上、50%の人件費削減
従来は、倉庫での受注、注文内容をラインに伝える、検品、品物をまとめる、梱包して発送する、という作業を5人で管理していました。
「ロボットシステムは、5人のチームが丸一日で行うことを2時間以内に処理することができます。これにより、実際に人件費の50%以上を削減できました。」と、Brian Tu氏は語ります。このように、DCL Logistics社は、ビジネスの成長に不可欠な人件費の課題を、ロボットの自動化により解決しました。これまで作業者が行っていた仕事をロボットが処理できれば、その作業者を他の業務に割り当てたり、ロボットを管理する仕事に就けます。繁忙期においても、スタッフを増やすことなく、ロボットを活用して顧客のニーズに応えることができます。
3ヶ月のROIと100%の注文精度
人件費の削減は、DCL社の顧客にもメリットがあると、Brian Tu氏は説明します。「当社が導入したロボットシステムは、多くの労働力を削減しているため、フルフィルメントを低価格で提供することができ、顧客はこのコスト削減のメリットを受けることができます。」
Dave Tu氏は説明を加えます。「ロボットを使用することで生産性が最大500%向上しました。これまでのロボットのROIは3ヶ月です」 Tu氏は、ロボットの統合が進むにつれ、ROIまでの時間が短縮することを期待しています。
先進技術を駆使する3PLプロバイダーとして、DCL社は、優れた生産性、効率性、そして高精度を武器に競争力を維持しています。差別化の一環として、DCL Logistics社は20年前からISO-9001の認証を取得しています。Brian Tu氏「ロボットは、人の手作業と同じレベルの精度と生産を維持することはもちろん、そのレベルを超えていく必要があります。UR協働ロボットとpiCOBOT®グリッパーの導入により、注文精度が99.5%から100%に向上しました」
DCL Logistics社について
DCL Logistics社は、フルサービスのロジスティックスおよびフルフィルメント会社で、直販フルフィルメント、企業から小売店へのフルフィルメント、その他の付加価値サービスすべてを提供しています。DCL Logistics社は、30年以上にわたるオペレーションの専門知識と顧客へのコミットメントを活用し、新興企業からグローバルブランドまで、さまざまな販売チャネルを通じて製品を発売する業界のパイオニアをサポートしています。シリコンバレーの中心部を拠点とする同社は、米国全土に施設を持ち、グローバルパートナーのネットワークにより、顧客や複雑な流通要件に対応したグローバルなフットプリントを構築しています。今日のオンデマンドの世界で、多様でダイナミックなクライアントベースでの作業経験を持つDCL Logisticsは、カスタムクライアントプログラムを設計し、即時的で完璧な製品の納入を実行する態勢が整っています。
www.dclcorp.com
ユニバーサルロボットについて
ユニバーサルロボット(UR)は、人と並んで安全に作業できる小型で便利、リーズナブルで柔軟性のある協働ロボット(コボット)を開発することで、ロボット技術を誰もが利用できるようにすることを目的に2005年に設立されました。2008年に最初のコボットが発売されて以来、コボットは世界中で販売されるようになり、同社は大きな成長を遂げてきました。テラダインの一部である同社は、デンマークのオーデンセに本社を置き、米国、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、英国、チェコ共和国、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、ロシア、トルコ、中国、インド、シンガポール、日本、韓国、台湾、メキシコに支社を構えています。2019年のユニバーサルロボットの収益は2億4800万ドルでした。詳しくは以下のサイトをご覧ください。
www.universal-robots.com