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3Dプリンターへの安全な粉体搬送 - Piab
Piab piFLOW®p SMARTバキュームコンベアを使用することで、作業員が粒子物質による害を受けることなく、3Dプリンターシステムに簡単に粉体を搬送することができます。
バキュームコンベアシステムのインテリジェンスな自己学習機能により、面倒な設定やテストをする必要はありません。スタートボタンを押すだけです。
昨今、個人向け製品やカスタマイズ製品の需要増加に対応するための技術の1つとして、3Dプリントに注目が集まっています。従来は試作品の製造向けにシンプルに利用されていた技術ですが、現在では多くの特殊部品がこの技術で製造されるようになってきています。製品の製造にあたり一般的に認知されているものの、手作業によるプロセスはいまだ多く存在しています。このプロセスには、プラスチックや金属の粉体を生産設備に充填する作業も含まれています。重量のあるコンテナを扱う作業員が腰を痛め、人体に有害な粒子状物質を吸い込む危険を防ぐために、人間工学的な作業環境の構築が求められます。
真空搬送技術は、作業員や製品、および環境保護に役立ちます。製薬、化学、食品産業のサプライヤーとして、Piabは課題解決に継続して取り組み、40年の経験を築いてきました。その結果、密閉性が高いpiFLOW®p SMARTバキュームコンベアが開発されました。バキュームコンベア内のフィルターと、真空ポンプの排気口のエアフィルターは、粉体が外部に洩れ出て作業員が粉体と接触するのを防ぎます。これにより、健康を害するリスクが低い、清潔な作業環境を実現します。
同時に、粉体自体もコンタミや品質低下を招く外部環境から保護されます。
粉末と顆粒を制御された方法で充填装置や混合装置に確実に搬送することがこれまでになく重要となり、これに対応して、新しいpiFLOW®p SMARTバキュームコンベアは自動調整機能により、粉体およびバルク搬送のプロセスを自動化します。高効率なCOAX®エジェクターテクノロジーをベースとするpiFLOW®p SMARTは、高度なアルゴリズムで事前にプログラムされており、複雑な手動タイマー設定を排除し、搬送プロセスや材料処理の自動調整を継続的に行います。要件に応じて個別に調整できるため、搬送サイクルが大幅に向上します。高度なセンサー技術を搭載し、最適化することで従来のコンベアシステムと比較してスループットを最大50%向上します。プロセス全体を最適化させるスマートな電気制御データの収集と分析、およびリアルタイムでの調整が、毎日のルーチンの一部として機能します。
IO-Linkなどのインダストリー4.0に関連した機能やプリセット機能に加えて、この新しいpiFLOW®p SMARTバキュームコンベアには、より簡単で安全な製品の取り扱いを可能にする機能が追加されています。自動フィルター洗浄機能、マルチフィルターショック、材料詰まり防止機能、選択可能な帯電防止材のフィルター、シールなどが要求に応じて選択できます。また、システムは、過剰充填やコンテナが空になることを防ぐ認識機能を備えられます。このように、コンテナの充填量を最大限に活用し、
材料のスループットが最適化されます。
3Dプリントの工程における生産時間は比較的長く、実際の粉体搬送時間は短くなります。piFLOW®p SMARTバキュームコンベアはアイドリング時に真空ポンプを自動的に停止できるため、稼働し続ける必要がある機械式ポンプと比較してエネルギー効率が優れています。したがって、自動搬送・自動充填のエネルギーコストを低く抑えられます。あるいは、移動式プラットフォーム上にバキュームコンベアを設置して、同じ粉体を複数の3Dプリンターに供給することも可能です。
バキュームコンベアは、新しい粉体を搬送するだけではなく、余分な粉体を生産サイクルの前工程に戻して再利用するためにも使用できます。この場合、残りの粉体は、コンベアの真空ポンプを用いた吸引フィードで吸い取られ、ふるいを通して容器内に排出されます。その後、粉体はホース、バキュームコンベアを介して生産サイクルに戻されます。このようなサイクルが生まれると、原料の節約とロス削減が実現し、コストが削減され、生産環境が保護されます。
Piabにとっても、3Dプリントは非常に興味深い技術です。既に、食品包装における袋物をハンドリングするための当社のグリッパー製品は、3Dプリンターで造形されています。個別の設計と軽量構造を実現する3Dプリント技術は、特に協働ロボットアプリケーションにおいて大きな利点を生むポテンシャルを秘めています。