- ニュース
- Best Handling Technologys社が、Piab Kenosグリッパーを採用し、32箇所の作業環境を改善
Best Handling Technologys社が、Piab Kenosグリッパーを採用し、32箇所の作業環境を改善
従業員の健康や満足感、効率向上、柔軟性向上、持続可能性など、オートメーション化に求めることは、全ての業界で共通しています。ドイツのBest Handling Technology社は、サクションカップを装備したKenos®グリッパーを採用し、物流会社のお客様をこれら全ての点で満足させることができました。
ギーセン近くのホイヒェルハイムにあるBest Handling Technoolgy社は、お客様の作業場の最適化を目的とした助力装置を製造する会社です。サイズが異なる重い段ボール箱のパレタイジングは、ハンドリング機器にとって大きな課題であり、既製の機器では対応が難しいアプリケーションです。Best Handling Technology社は、物流会社のお客様の作業現場32箇所に、Piabの真空グリッパーを採用したカスタマイズソリューションを開発することに決めました。
真空技術の柔軟性と安全性
ナックルブームクレーンとHクレーンシステムにロープバランサーシステムを装着。ハンドリングシステムのグリッパーには、 COAX® Midiエジェクターを内蔵したKENOS®真空グリッパーが取り付けられています。各作業場に2台の真空グリッパーが取り付けられました。このグリッパーは様々なサイズの箱に素早く適応します。各KENOS®グリッパーには、通常のフォームパッドではなく、お客様が扱う段ボール箱の把持に適したBX52P DURAFLEX®サクションカップが16個装着されています。サクションカップは重い段ボール箱をハンドリングする間、様々な方向からの力を受けることになります。
「このサクションカップは耐摩耗性に優れており、ハンドマニピュレータで使用する際には安全面でも重要な役割を果たします。DURAFLEX®製のカップは段ボールなどのリークが多い材質のワークにもしっかりと吸着対応し、安全なハンドリングを実現します。さらに、不具合のあるサクションカップは見た目で確認でき、簡単に交換できます。これによりダウンタイムが最小限に抑えられます。」 と、Piabオートメーション セールスマネージャー、Cedric Riesは説明します。
個々のサクションカップの取付け金具には、piSAVE® Sense流量バルブが内蔵されています。このバルブがあることで、ワークと接触していないサクションカップから空気が流入して真空破壊が発生することを防げます。このような逆止弁を使うことで、より小型の真空ポンプで済む可能性が生まれ、省エネにつながります。
これによりKENOS®グリッパーは様々なサイズのワークに柔軟に対応することができるようになります。ローラーコンベアから様々なサイズの箱を吊り上げ、ラベルを付けてスキャンし、それをパレットに積む。そのような作業を、オペレーターはツールを切り替えることなく処理することができるのです。それに加え、Best Handling Technology社のマニピュレーターは、箱に入っていない機械部品などを吊り上げる場合には、折り畳み式のフックが利用できるようになっています。
COAX®真空技術およびpiSAVE® Optimizeによって圧縮空気消費量を最小限に抑える
piSAVE® Optimizeバルブはグリッパーユニットの制御機構に内蔵されています。これは供給する圧縮空気を真空を使って比例制御するバルブです。エジェクターポンプへ供給する圧力を設定した真空圧以上に上がらないように制御します。設定した真空度に達するまでは、最大供給圧を掛けます。これにより、圧縮空気消費量が約30〜50%削減されます。投資の回収は、コスト削減により1年以内に効果が見られるでしょう。コンプレッサーを新しく替える必要はなく、既存のコンプレッサーはより少ないメンテナンスで済みます。結果的に非常にエネルギー効率に優れたソリューションになり、持続可能性の取り組みにも貢献します。
さらに、KENOS®グリッパーに内蔵されるCOAX®エジェクターは、空気消費量を抑えながら素早く真空流量を発生させます。COAX®エジェクターは、従来のエジェクターと同じ空気消費量で3倍の真空流量を発生させます。空気供給圧が低かったり不安定な時でも高性能を発揮するエジェクターです。この能力は、ドレスデンのフラウンホーファー研究機構工作機械・成形技術研究所での独立した比較テストで実証されました。これらのテストから、Piabのエジェクターが他社製のエジェクターと比べて同じ性能を出すのに大幅に少ない圧縮空気で済むことが証明されています。このエジェクターは、稼働部品がないためメンテナンス頻度を抑えられます。これにより、圧縮空気消費量とダウンタイムを削減し、総生産コストの削減に繋がります。
Best Handling Technology社のマネージングディレクター、Winfried Kaisers氏:「当社のお客様にとって、発注の決め手となる基準は、システムの柔軟性、人間工学に基いたオペレーション、エネルギーの効率性でした。Piabの優れた真空技術とpiSAVE® Optimizeバルブにより、私たちは自分たちのソリューションが圧縮空気使用量を低減できると確信できました。」
人間工学的でユーザーフレンドリー
シンプルな操作方法、適切な吊り上げ速度、そして多様なサイズのカートンをツールの切り替えなしで処理できるグリッパーの柔軟性により、幅広い種類のワークに対して最適なスピードで作業することが可能になります。「物を運ぶ際、オペレーターが高所・低所に無理に手を伸ばす必要はありません。制御グリップを握ったまま、簡単に全ての操作が行えます」と、Winfried Kaisers氏は付け加えます。「私達の助力装置を導入する以前は、お客様は箱の詰め替えやパレタイジングをオペレーターの手作業で行っていました。怪我のリスクと、それによるオペレーターの傷病休暇のリスクがありました。」
お客様の利益のために
「お客様のために個別のリフティングソリューションを製造する当社は、Piabをパートナーとして選びました。Piabは私たちと同じく、高水準のソリューションを提供しています。Piabからは、テスト用のサンプルグリッパーを提供していただき、また、課題を解決するための技術的アイデアを提案していただき、素晴らしいサポートを受けました」と、Winfried Kaisers氏がBest Handling TechnologyチームとPiabのエキスパートとの協働について説明します。
Piab Kenos® KVGグリッパーの詳細
KVGシリーズは、様々な形状・寸法の製品をハンドリングすることが可能な柔軟なソリューションです。逆止弁と流量調整技術により、多くの産業用途に対応できます。KENOS® KVGグリッピングシステムは真空発生器を内蔵可能です。また、ポンプまたはサイドチャンネルブロワーによる外付け真空発生器を利用することもできます。真空発生器内蔵モデルは、メンテナンスが容易なモジュール式のマルチステージCOAX®エジェクターを採用しています。エジェクターの本数は、設置後も必要に応じて増やすことが可能です。KVGグリッピングシステムのフォームパッドは特殊技術で作られており、穴のピッチタイプ、厚さを選択可能です。FDA承認材質のフォームパッドも選択可能です。KVG120CおよびKVG60Cは、幅広く用意されたPiabのサクションカップを装着することができます。包装、金属、ガラス、あるいは木材産業におけるパレタイジングやワーク搬送などが一般的な用途です。
BX52P DURAFLEX®サクションカップは、段ボールなど凹凸がある多孔性の表面を持つワークに特に適しています。このカップは、ベローズとリップの硬度が異なる仕様を選べます。これにより、ボディは強度と安定性があり、リップは柔らかく柔軟性があります。DURAFLEX®サクションカップは特別に開発したポリウレタンでできています。この材質はゴムの弾性とプラスチックの耐久性を兼ね備えています。吸着痕を残しにくい材質です。また、カップ内にフィルターディスクを取り付ければ、真空システムに粉塵が入り込むことを防ぐことが可能です。
Best Handling Technology社について
Best Handling Technology社は、機械のコミッショニングや設置から、繊細な個々のパーツの配置とアッセンブリまで、幅広いタイプの顧客のニーズに沿ったハンドリングソリューションを提供しています。安全性、有用性、エルゴノミクスが、同社のソリューションのポリシーです。Best Handling Technology社は、製品の梱包、積み下ろし、搬送をサポートする、オートメーションと手作業を融合した助力ソリューションを提供しています。「マテリアルハンドリング」分野の最新テクノロジーを使用することで、Best Handling Technology社は、お客様のオペレーターが荷物を安全に、そして簡単にハンドリングできるようにします。安全で人間工学的で効果的な作業プロセスのための、お客様仕様の魅力的なソリューションを提供することをミッションとしています。